2023年8月24日木曜日

出隆の「科学と科学批判としての哲学」(3)

































これまで纏めて「科学」という言葉で語ってきたが、実際にそこにあるのは物理学、生理学、社会学、生物学などの「特殊科学」である

諸科学には共通の根本仮定があるかもしれないが、それぞれに個有の仮定もある

この仮定や方法や原理などを纏めて言えば「立場」となり、諸科学は特殊な立場の上に立っていることになる

とすれば、哲学の任務はこれら諸科学の立場を明確にし、それらの間の関連を検討し、統一した立場を提示することでなければならないだろう

それは、そこにある最終的究極的原理を発見し、それを基に科学を分類することだという

例えば、フランシス・ベーコンは人間の知力を「記憶」「想像」「理性」に分け、これを基に諸学を分類した

ベンサムアンペールは、リンネによる植物の二名法に倣って科学の分類に応用し、オーギュスト・コントは数学を基礎に置き、その上に諸科学を階層的に分類して頂点に社会学を冠した

著者によれば、分類には無理もあるが、彼らが科学の分類を哲学の任務であると心得ていた証であるとしている

ここで問題になるのは、何を分類の原理にするのかということである

例えば、植物学という特定の領域の基準を用いることに問題はないのか

哲学はその統一原理を発見しなければならないという

哲学は、科学が主張する客観的で普遍性のある真理について批判する立場にある

その意味では、ヴィンデルバントが定義したように、哲学は価値の批判学なのである

これまでの考察からは科学と哲学の研究対象が異なっているように見えるが、本当にそうなのだろうか

哲学にもあるがままの世界や人生を知ろうとしている側面があるのではないか

つまり、科学批判としての哲学だけではなく、哲学独自の対象に対して、自らの立場を吟味しながら向き合うという哲学もあるのではないか









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