2024年5月17日金曜日

最初のブログ「フランスに揺られながら」を読んで





























数日前、拙著 Immunity の索引案が送られてきた

この案も専門の会社が担当した

分業である

日本語版は重要だと思う言葉をできるだけ多くピックアップしたが、今回のものは別の考え方に基づいているように感じた

完璧に近い選びにするというよりは、何かを理解してもらうような並びになっている

この緩やかな発想はわたしにはなかったものだが、それを受け容れることにした



ところで今日は待ち時間があった

暇なので、携帯から2005年から2年続いた最初のブログ「フランスに揺られながら」を読んでみた

携帯では手ごろなサイズになって現われるので親近感が湧く

最近若い人と話したところによれば、紙のものに触れることはないとのことだったので、古典的な本が売れないのも理解できる

それはさておき、最初のブログではかなり濃密な意見交換が行われていたことが分かり、ある意味感動した

当時は探索の旅に出る前だったので、いろいろな問題意識を持っていた

それが読む人にも響いたのではないかと思われる

それに比べると、最近のものは安定し過ぎているように見えてきた

当時抱えていたどのように歩むのかに関して、悟りの状態に入っているように感じているからだろうか

今の状態にどのような揺さぶりをかけることができるだろうか

全身で向かっていくべきテーマはあるのだろうか

考えてみるのも面白そうだ








2024年5月15日水曜日

Immunity: From Science to Philosophy の校正をやっと終える
































快晴の本日、拙著 Immunity の最終校正を終え、2日遅れで編集者に送ったところだ

最初の校正時、フライヤーも各サイトも準備ができているので、この本はすでに刊行されていると無意識に思っていたことに気づいた

ほとんど直すところがないかのような錯覚に陥っていたのである

しかし、この原稿はまだ世に出ていないことを確認した時、ゲラに向かう気持が一変した

要するに、より良いものにすべく積極的に手を加えていくという方針に変わったのである

表現だけではなく、取り上げた事実についても気になったものは再確認することになった

そのため想像以上の時間がかかったが、自分の中ではより明快なものになったと思っている

それでもなお不備は付いて回るのが常だが、それができるだけ少ないことを願うばかりである

細かい作業はあるかもしれないが、一応これでわたしの手を離れたことになる

これから新たな気分で自由に考えを巡らせる時空が広がることを期待したい










2024年5月9日木曜日

Immunity: From Science to Philosophy をもう一度読み直すことに
















本日は快晴で気持ちがよい

以前から感じてきたことだが、毎日がどっしりとそこに在るという感じで、ほとんど動かない

時が止まったような感覚の中にあるので、日々をたっぷり味わわせていただいている

これは長らく「いま・ここ」に集中してきた成果なのだろうか


そんな中、拙著 Immunity の校正は続いている

新しく現れたいくつかの問題と向き合い、修正策を考えてきた

1つの問題に対する朝は、まだその方法は頭にない

それがいつ終わるのかも分からず、時に日を跨ぐこともある

ああでもないこうでもないとやっているうちに出口が見えてくる

昨日、一先ずのところは終えることができた

このような職人的(artisanal)な作業にささやかな悦びを感じるようになって久しい

それでもなお手を加えるべきところが残っているというのが、これまでの経験であり、すべてを見透せない人間のやることなのだろう

今回が最後の校正になるので、期限ぎりぎりまで時間を使うことにした







2024年5月6日月曜日

ゲラ校正の最終盤、重要なことに気づく



















拙著 Immunity の校正も最終段階に入って来た

やはり後半に入ると教科書的とは言えなくなる

そこが本書の特徴とも言えるだろう

その中に追加説明が必要な個所が見つかったのは幸いであった

自分の中で思い込みが強いと、すでに説明しているものと錯覚することがある

それが原稿の段階では気づけないのだが、ゲラになることによって見えるようになる

原稿の場合はまだ自分が書いたものというところがあるが、ゲラになると他人が書いたものとして見ることができるようになるだけでなく、視界が広がり見通しが良くなるからではないかと想像している

これまでに何度も経験していることを今回も経験することになった

残り僅かとなったが、最後まで注意深く読み進めたいものである








2024年5月5日日曜日

Immunity: From Science to Philosophy は更なる形而上学化の対象か


























拙著の英語版 Immunity を中頃まで読んだところだが、非常に丁寧に事実を追っているという印象が強い

自分ではその意図はなかったのだが、教科書的な本に見えてきた

少し前に「純専門書」という印象があると書いたことと繋がる感想である

どうして日本語を読んだ時にはそのように見えなかったのだろうか

分からない

自分の中で、免疫という現象を具体的な事実として押さえておきたいという気持ちが潜在的にあったのかもしれない

結果的にそうなったのだとすれば、この本に取り上げられている科学的事実の部分は、これからも新たな形而上学化(MOS)の対象になることを意味している

その視点から見れば、これからの歩みの土台になる本だとも言えるかもしれない

興味深い展開である

校正作業はもう少し残っている











2024年5月4日土曜日

ポール・オースターさん 亡くなる



















アメリカの作家ポール・オースター(1947年2月3日 - 2024年4月30日)さんがつい最近亡くなったことを知る

その昔、読んでいたことがある

検索したところ、最初のブログで3つほど引っ掛かって来た

Flaneur(2005.3.13)

Paul Auster 再び(2005.4.15)

わがタイプライターの物語(2006.3.28) 

 

もう20年ほど前の記事になる

この2年後にフランスに向かっているのだから、数字だけ見るとかなり前になる

しかし、だからといって時が経つのは早いという感覚はない

むしろ、じっくり味わいながら歩んできたという印象の方が強いからだろう


上の記事の中に、英語で感動したところを日本語で読んでもそれが伝わってこなかったという一節がある

同じことはフランス語でも経験している

この経験がもたらしたものは想像できないくらいのレベルに達しているのではないか

そんな気がしている






2024年5月3日金曜日

ゲラ校正、新しい本の制作過程か



















ゲラ校正の日々である

昨日も一か所立ち止まるところがあった

読んでいるうちに、日本語の本とは全く別物のような気がしてきた

これは翻訳本について一般的に言えることかもしれない

これまでフランス語の本を2冊訳しているが、それを見て、原本とは全く違うというのが偽らざる感想であった


今回のものを全体として眺めると、科学の純専門書という印象を受ける

本のサイズが変わるかもしれないので、もしそうなるとすれば、それだけでも大きな違いになる

視界が広がり、より高いところから眺めているような感じになりそうだ

まだ前半部分だが、今回改めてそこに詰まっている事実の多さに驚いた

すべてこれまでの科学者の努力の跡なのだが、著者がそれを拾い上げていることになる

とにかく膨大な領域なので、拾い上げる人によって内容が変わってくる筈である

専門家でない読者は、それぞれの事実に付いていくのが大変そうである

ただ、事実の繋がりには注意を払っているので、話の流れはスムーズになっていることを願っている

これは最初に感じたことだが、ページ数が少ないのは校正作業にも精神的に良い影響を与えているようだ

残りもゆっくり読むという方針で当たりたい







2024年5月2日木曜日

ゲラ校正、暫しの間思案する


























今朝も快晴で穏やかな一日の始まりである

昨日から5月に入っていた

昨年の今頃は、現在校正中の本の英語原稿を作り始めていた

それから夏の終わり頃までその作業は続いた

昨日は予定通り、本を読むようにして気になるところを探すというやり方で進めた

その途中に一か所引っ掛かるところがあり、暫しの間いろいろな資料を読み直すということがあった

最終的には解決策が見つかったのだが、全く違う体裁で目の前に現れるとそれまで気付かなかったことが見えてくることがある

このような経験は自らの認識を深めることに繋がるので、今日からの作業も無垢の目で当たりたいものである


今日の写真はトゥールのお気に入りの風景とした