2023年11月17日金曜日

第17回サイファイ・カフェ SHEで、ある免疫論について語り合う























本日は、今年3月刊行の拙著『免疫から哲学としての科学へ』を題材とした合評会を開いた

免疫学を専門とする方の他、多様な分野からの参加があり、充実した、敢えて言えば、贅沢で豊穣なる会話が展開した

今日のところは、今思い出すコメントを少しだけ拾い上げるにとどめておきたい



最初に、免疫の歴史を書いている前半は、同時代で経験した内容なので非常によく入ってきたとの指摘があった

この部分だけでも若い研究者には読んでもらいたいとのことであった

後半は哲学的議論に移るが、科学者の哲学論という印象が拭えなかったのはやや不満だったようである

それに対して、全般的に内容が難しすぎるという指摘もあった


科学に対する態度については以下のようなコメントがあった

一方の極には還元主義一本やりで進むタイプで、それこそが科学者だという立場があり、もう一方には科学をそこに限定するのではなく、もう少し広い視野から論じるところまでを含めて科学としてもよいのではないかという立場がある

わたしは後者に属しているとの判定であったが、それには異論がないどころか、有難い評価であった

そのことに関連して、学会の中でも後者の立場から議論する場があってもよいのではないかと考えている方がおられた

実際にはそのような場は全くと言っていいほどないのだが、それは上の二極の分類で言えば前者の考えの持主が学会を動かしているからだろう

さらに、科学と神学や哲学との関係を重視するのか、両者を切り離すのかという歴史的判断がその国の科学のスタイルを決めているという指摘もあった

日本は後者の道を選んだように見えるが、これからどのような道を歩むべきなのだろうか


この他にも、科学、哲学、神学を巡る問題や、真理とは何を指しているのか、究極的な真理に辿り着くことはできるのかなど、かなり本質的な議論が続いた

詳細な内容については追って専用サイトに掲載することにしたい

改めて参加された皆様に感謝したい



























これで今秋のカフェ/フォーラム・シリーズが終わったことになる

来年は2月が札幌、東京シリーズは3月の開催を予定している

来春もよろしくお願いしたい









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