2023年5月31日水曜日

パリ20日目、瞑想的プロジェを加える


































パリは本日も快晴、素晴らしい

このところ日常になっている作業に加え、これからに向けて瞑想を要するプロジェを始めることにした

昨日浮かんできた考えだが、これが加わることにより、気持ちが少し豊かになってくるように感じられる

ただ、このプロジェは簡単なものではなく、かなり時間がかかりそうである

逆に言うと、そこに苦しみはあるのだろうが同時に、気持ちを豊かに保つ時間が長いことを意味している

これなどは今回の収穫の一つになるのではないだろうか

最近の日課も順調である








2023年5月30日火曜日

パリ19日目は静かな一日















本日も快晴で、悪い気はしない

日付を見て、5月も押し迫って来たことを知る

知らない間に時が過ぎ去っていたことが分かる

それは時の流れが速いという感覚とは違う

時の流れの中に入っているため、流れに気付かないという状態に近いのではないだろうか

以前にも触れた、フランスに渡ってから16年が経過していることが未だに信じられないというのもこれではないか

どこか浦島太郎を想起させる観察である

浦島は幸福な人生を送ったのではないだろうか

今朝の結論はこんなところに落ち着いた


さて、本日もいつものカフェで単調な作業に当たっていた

あのおやじ今日も来てる、という声が聞こえそうなのではあるが、

適当な時間に引き上げアパルトマンに戻り、作業を続けた

時間が消えているので、全く気にならない

気になるのは、飽きが来た(集中力がなくなる)かどうかである

今日は想定外の進み方を見せてくれた






2023年5月29日月曜日

パリ18日目、初心に返る





パリは本日も快晴

嫌になると言えば、罰が当たるか

今日は一応週の初めになるので、気分が入れ替わるように感じられる

その状態のまま、このところの日課に当たることにした

まず、最近はお決まりになったカフェへ

そこで静かに飽きるまで事に当たる

途中、まだ幼稚園児だと思われるパリの子供たちが入ってきて姦しくなった

この年代から自分の主張をはっきりと言葉にすることを鍛えられている

親にしてみたら、特に鍛えているという意識はないのではないかと想像してはいるのだが、


一旦アパルトマンに戻り、先日モンパルナスで買った本に目を通す

フランス語はぼんやりとしか分からないが、分からないなりに数十ページ読んでみた

哲学の起源に関するもののようだが、古代ギリシア、紀元前5-4世紀よりもさらに遡る気配がある

それと同時に「哲学とは何か」という問いに向き合った書でもあるという

ドゥルーズ/ガタリも指摘しているようだが、この問いに関する書籍は意外に少ないと言っている

おそらく、それぞれの哲学者が自らの書を書かなければならないのだろう


最初の方に、フーコーが『真理の勇気』でも論じている、哲学にある「語る要素」と「生きる要素」のことが出てくる

この書についてはエッセイでもカフェでも取り上げたことがあるので、懐かしい

わたしは2006年暮のパリで、フーコーが尊敬するピエール・アドーからそのことを知り、哲学に入ることに抵抗がなくなったことを思い出した

当時はより劇的で、目の前がサーッと開けたという感じであった

そういう経験はそれまでとんとなかったので、何かが降りてきたのだろう

理論だけでは面白くないと思っていたのは間違いない

そして哲学にそれ以外の要素があることを知り、驚いたのだ

時を経てもその時の考えに変わりはなく、語ること、書くことが生きることとどこかで繋がっていなければやる価値はないと思ってやっている

今日の午後は期せずして、初心に返る時間となった






2023年5月28日日曜日

パリ17日目はぼんやり過す















17日目のパリだが、本日も快晴

一体どうなっているのか

そして「まだ」日曜か、といういつものつぶやきが聞こえる

一日をたっぷり使っている、使い切っているからの感想なのだろうか

日本にいる時の長さを遥かに凌駕している

実際には何日になるとか、何週間滞在したという感覚自体が消えている

これは素晴らしいことなのである

今日は定点にいて、一日の流れをぼんやりと観察

日曜日には相応しかったのではないか

いつ頃からだろうか、アパルトマンの肌寒さがなくなっている







2023年5月27日土曜日

パリ16日目、第二の問題解決に向けて歩みだす


























昨日は夕方から深夜にかけて、2つ目の問題に急展開があった

問題解決に繋がるかもしれないし、そうでないかもしれない動きである

最初の問題に当て嵌めるとすれば、解決するかどうかは分からないがニューヨークに行くことにしたという段階になるだろうか

それにしても何というタイミングでパリにいることだろうか

日本から見れば遠くにある国とのやり取りを海外にいてできるというのは、精神的な壁を感じることなく対応できるのでわたしにとっては快適なのである

我ながら、よい時期に計画したものである

ただ、最初の問題と違い、こちらは時間がかかりそうである



さて、16日目のパリも快晴である

最初の週が曇天続きだったことを考えれば、まさしく天国である

週末でもあり、午前中はその雰囲気を味わい、午後から少しだけ街に出た

観光客も含めて人が多いので、今朝方にかけてのこともあり、それだけで疲れる

今日は早めに引き上げることにした



ところで、拙著『免疫から哲学としての科学へ』が図書新聞6月3日号の巻頭書評で取り上げられているようだ

週刊読書人さんのツイートで知った

評者は石井哲也北海道大学教授である

公開はされていないようなので、図書館などでお読みいただければ幸いである

あるいは、目の良い方はこのツイートから内容を把握できるかもしれない

図書新聞さん、石井哲也氏、そして週刊読書人さん(武田扇氏の書評も掲載いただいた)に改めて感謝したい












2023年5月26日金曜日

パリ15日目、あるいは時間の不思議

















今日も快晴である

午前中は昨日の残りを片付け、午後から街に出ることにした

目的のところに行く途中、いかにも週末の午後という景色に何度も出会った

写真ではその雰囲気が感じられないのは残念である

用事を済ませた後、カフェを2軒梯子した

1軒目がなぜかネットに繋がらなかったので、いつもの場所に移った


これは以前にも書いたが、フランスに渡ってからすでに15-6年経過していることがどうしても信じられないのである

その思いが再び浮かんできた

コロナで日本に3年いたこともではあるのだが、

このあたりの時間が消える感覚の不思議はどう考えたらよいのだろうか

知らない間に時間が流れているということなのか

そうだとしたら、怖ろしいことである

ただ、時間が消えているのだから、精神的には年をとらないということも言えそうである

とにかく不思議な現象である

これからも思い出したいテーマになりそうだ







2023年5月25日木曜日

新しいアトリエをパリに発見、という感覚
















今日でパリ14日目である

朝から快晴ではあったが、今日は一日籠り、淡々と一日を過ごした

昨日の観察通りになってきた


これまでの感想は、当初感じた3年という空白を感じることのない状態で生活ができている

日本にいる時には見るのが億劫になっていた海外のYoutubeもすぐ横にあるという感じだ

最近ではYoutubeを開いた時に出てくる出しものが様変わりしてしまった

それからYahooニュースは見られなくなり、MSNもフランス版に変わっている


フランスに渡って暫くして日本に帰った時に浮かんできた感想に、パリが離れにある書斎のように感じたというのがある

今回の滞在の現段階での感想もそれと重なるところがある

それは、新しいアトリエがパリにできたという感覚だろうか

悪くない感覚である






2023年5月24日水曜日

一日の流れが安定してくる





パリ13日目

今日は朝から快晴、早くから外に出た

非常に良い午前中となった

じっくり考えなければならないことが出てきたので、お昼にアパルトマンに戻る


それとは別に、今週あたりからこの滞在でやることが決まって来たようだ

毎日、日課をこなすという単調な日々になりそうである














2023年5月23日火曜日

パリ12日目、平穏の内に過ぎる


























本日は曇天で始まり、外に出る気にならず

しかし、午後から晴れてきたので散策することにした

いつもと違う道を行ったためか、同じ時間かかったかもしれないが、短く感じた

カフェで2時間ほど、ぼんやりしてから帰って来た

往復1時間の歩きとなった



今日は、このところの日課に当たる

その過程で、これからの大きな絵に関わることが浮かんできた

まだその断片にしか過ぎないのだが、それを離さないようにして広げていきたいものである











2023年5月22日月曜日

日課に集中できた一日、あるいは町が出す「騒音」

























パリ11日目になる

今日は午前中から最近の日課になっていることに向き合った

午前、午後と場所を変え、気分に任せて久し振りに集中できたのは幸いであった

これが精神衛生には一番よい



さて、パリに落ち着き、ニューヨークでの時間を振り返ってみた

一番大きなことは、町が出すベースラインの騒音レベルがどこの町よりも強いということである

騒音の中には実際の音もあるが、町の空気の中に蠢いている人間を底の方から刺激する何かも含まれている

この騒音が、意識の第3層に入るのを妨げ、第2層に押しとどめているように感じる

つまり、生きるのが大変だという意識が最初にあるので、そこだけに集中せざるを得なくなるということなのだろうか

これは仕事を辞めてから行ってもその騒音が邪魔になる

それに慣れることがあったとしても、かなりの時間を要するのではないだろうか

パリに戻り、その騒音が少ない環境に入ったのでこの落差がはっきり見えてきたようだ











2023年5月21日日曜日

パリ10日目、第2の問題に向けて歩み出す















そして今日も明けた

これは一日の始まりの最近の感慨である

前日の最後には、今日はこれで終わりだという感覚が訪れる

しかし、一夜明けると彫刻すべき新しい一日が目の前に在るという気持ちになる

今日はどういう一日になるのだろうか


振り返れば、昨日も1時間くらいは歩いていた

それもかなりの速歩で

日本ではあり得ないので、よい傾向である

そして、昨日今日と第2の問題解決に向けて考えていたが、その準備はほぼ整ってきた

これで解決ではないが、そこに向けて歩み出すことができるようになった


日課のようになったものに対しては、気分に任せて(=決して無理をせず)当たるようにしている

ストレスフリーでいることが、長続きするためには何よりも大事になると考えているからである

パリ滞在中もそれで通したい








2023年5月20日土曜日

パリ9日目は凪の日常















早朝こそ曇天だったが、本日も快晴になってくれた

昨日から始めた問題について、さらに思索を進める

次第に対処法が見えてきた

もう一日置いてどうするか考えることにしたい


今日の出来事は、支払いにドル札を出して店の人に驚かれたことだろうか

最初、なぜ驚いているのか分からなかったのである

何かが進行しているようだ

その他には特に変わりなく、最近の日常になっていることをやって過ごした








2023年5月19日金曜日

パリ8日目? 新しい問題に向き合い始める














今日は、パリ実質8日目になるのだろうか

それにしても、いつもの「まだ」金曜なのかという感覚がついてまわる

昨日同様、晴れ上がっている

アパルトマンは相変わらず肌寒い

これは想定外であった


さて、今日は午後から外に出た

外は暖かいので気持ちがよいからでもある

新しい問題解決のために、まず問題を整理することにした

カフェに入る

そこの空気も自由である

日本では私語は禁止されているのか、従業員が会話することは殆どない

こちらは自由に人間同士が話している

いつ注文を取りに来るのかもわからない

わたしにとっては、何とも言えないいい感じなのである

そこで問題の概略を纏め、先日のプリント(文房具)屋さんで印刷する

明日からじっくり考えていきたい






2023年5月18日木曜日

珍しく快晴のパリに戻る


























曇天のパリとは違い、連日快晴だったニューヨーク

10年振りだったが、その中に入るとそれなりに数十年前の感覚が戻ってくる

そのため快適な滞在となった

何より関係者の協力で予定していた問題解決ができたことは大きかった

日本語の領域と、英語やフランス語の領域が頭の中では別のところにあることを再確認する旅となった



帰りはスイス経由でパリに戻ってきた

スイスではビザは必要ないが、来年から電子ビザ(ETIAS)が必要になるとのこと

ところで、JFKでもスイスの空港でもインターネットに繋ぐことができなかった

こういうことはこれまでに経験していないので、その原因を知りたいところである

シャルルドゴール空港に着くと、市街に出る電車(RER-B)がストのため途中から動いていないという

仕方なくタクシーにした

途中までチップをどうしようか考えていたが、ここはパリであることに気付く

約束通りのお代で済んだ



アパルトマンに戻りメールボックスを開けると、新たな問題が出てきたようなので、それについても考えなければならなくなった

一難去ってまた一難か







2023年5月17日水曜日

ニューヨーク3日目、問題がほぼ解決する















今朝も早く目が覚めた

今日も快晴であった

朝8時からハドソン川の方に向かった

この川を眺めるのは、その昔ニューヨークに住んでいた時以来ではないだろうか

想像していたのは全く違う景色であった


それにしてもマンハッタンに来るとよく歩く

そしてそれが余り苦にならない

それは他の人がよく歩いているからだろうか

彼らは機械のように歩くという印象だ

逞しい

人間は歩く動物であるということに気付く


これはわたしの観察だが、こちらでは思考も計算に基づく思考が優勢のように見える

いかに効率よく理に適ったものにするのかという科学的思考で元気がよい

迷いがないと言えばよいのだろうか

昔のわたしも周りがそうなので意識しないうちにそうなっていたのだろう

それが変わったのは新しい思考に気付き、フランスに向うことにしたあたりからである

わたしの分類で言えば、意識の第2層止まりの思考から第3層を巻き込んだ思索への転換であった

やはり大きく違うのである

今回パリからニューヨークへ移動する中で、最近の2作で強調したことを再確認することになった


さて今日は、午後から昨日の続きのお話をしに出掛けた

お相手が、前回お会いしたのはいつでしたっけ、と真面目に質問してくるのを聞き、脱力

この間、かなりの人に会っていたことを想像させる

ただ、1時間ほど、今日は時に3人が加わり、問題解決に向けて積極的に当たってくれた

経過もその都度示してくれながら

規則はあるのだが、マニュアルに雁字搦めにされていない様子が伝わってきて好感を持った

人間が生きているのである

お陰様で昨日よりはかなり進み、当分は問題なく行けそうである


日本にいると別世界の出来事のように感じ、意識から飛んでしまうのだが、こちらに来るとそれが迫ってくる

具体的な人間を前にしているので、対処する気にもなる

それと話している中で、7年に及ぶアメリカとの関わりもかなり深かったことに気付くこととなった

ただ、まだ残された問題があるので、いずれこの地を踏まなければならないだろう

アメリカに対する精神的なブロックを解くことも必要になりそうだ

それにしても、実質2日で予想を超える成果があったことになる

そして旅程もピッタリだった

今日がニューヨーク最後の夜になるが、少しだけリラックスできそうである






















2023年5月15日月曜日

ニューヨーク2日目、事態の打開に向けて動き出す























ニューヨークの第1夜が明けた

次第に明るさを増し快晴であることが分かると、昨日のやや沈んだ気持ちから持ち直してくるのを感じた

なぜかホテルのWi-Fiが通じない

パリの部屋で最初に起こったことに似ている

仕方なく、コーヒーショップでネットに行こうと思い、6時半から街を彷徨った

7時過ぎから開いているところをやっと見つけて入るも、そこでもネットに繋がらない

パリと同じである


9時過ぎに、今回の目的である事態の解決に向けて話し合いをしに出掛けた

約1時間ほどの話でかなり前進したように感じたが、明日もう一度話し合いを持つことになった

気分が少し晴れたので、騒々しい界隈を歩き回り、ネットに繋がる店を探し落ち着いた

そこで、昨日の記事をアップ

昨日の暗い気分は完全に吹き飛んでいた

改めて節操がないタイプであることを確認することになった


午後からもう一つの気になっていたことを思い出し、電話する

ホテルの案内には外線番号の後にエリアコードとあるのでその通りにすると、ニューヨーク警察(NYPD)に繋がった

本当に何もないのですね、と念を押された

エリアコードは必要なかったのである

その後の電話で、あっけないくらいに簡単に事が収まった

日本からアメリカに電話するのはかなりハードルが高くこれまでその気にならなかったが、現地に入れば気分が全く違う

やはりその場に入ることである

今回来るという決断をして本当に良かったと思っている

夕方、解放された気分でタイムズスクエアのあたりを散策

今日一日を振り返った

まだニューヨークでの活動初日であることに驚いている















2023年5月14日日曜日

10年振りのニューヨークに辿り着く
















全くの想定外の移動日となった

今、相変わらずの曇天のパリからモントリオール経由でニューヨークに入ったところである

アメリカに入るにはESTAが必要であることは知っていたが、カナダのことが頭から消えていた

カナダに入る時にもeTAという電子渡航認証が必要だということを空港で知らされる

ということで、パソコンを開けて四苦八苦しながら、係員の指示も仰ぎながら何とか出発までに準備することができた

汗びっしょりのデジャヴュであった


機内ではアメリカにいた当時よく聞いていた音楽とともに快適な時間を過ごした

そして空港からのタクシーだが、支払いの様子が変わっていた

客の席の前にある画面にカードか現金かを選択するところから始まり、最後にチップの額を20%、25%、30%から選択するところで終わる作業をしなければならなかった

その昔のチップは客の好意によるものだと思っていたが、今ではむしり取られるような感じである

ただ、一夜明けてカフェで発見したのは、下の方に遠慮しますという選択肢もあることは分かったのだが、

それからホテルに入ったが、現代的で無味乾燥なデザインの部屋で疲れが増してきた

考えて予約したつもりだったのが、当てが外れた感じである


さて、明日から問題解決に当たるつもりだが、どうなるのか全く予想ができない

その結果に関わらず、20代後半から30代前半までの5年間を過ごした古巣を味わって戻ることにしたい

前回の訪問は2013年の秋になっているので、その時からすでに10年が経過したということになる

わたしの中ではつい最近なので本当に驚きである

こういう感慨がどんどん増えている

第一、フランスの大学院に入ったのが2007年なので16年前になる

こちらの記憶も新鮮なままあるので、信じられないのである

この間の時間が何を齎したのか

そう問いかけたくなる

それはこれから少しずつ見えてくるものだと思いたい








2023年5月13日土曜日

パリ6日目、純度の高い天空の時間を確保するには



















パリ6日目、今日も曇天から始まる1日であった

夕方に青空が覗くこともあるが、パリはこんな感じだっただろうか

ただ今日は午後から明るくなり、夕方には快晴になってくれた


さて、今日は特にやらなければならないこともなかったので、アパルトマンで現在抱えていることについてぼんやりと思いを巡らしたり、仕事のようなものに当たったり、手に入れたばかりの本に目を通し瞑想したりしていた

このような一日はその昔のフランス生活を思い起こさせる

日本での一日との違いを一言で言うと、時間の純度になるだろうか

ここでは天空の時間になっているのである

今回それが明確になった

また不思議ではあるが、日本では難しかった「パンと水」のエピキュリアンの生活にもごく自然に入っていける

つまり、精神の生活に入ることがより容易になっているとも言えるだろうか

これはおそらく、日本での対策をあれこれ考えるのは時間の無駄ということを教えているようにも見える

ここでもやはり、飛ばなければならないということか






2023年5月12日金曜日

パリ5日目、モンパルナス散策、『免疫から哲学としての科学へ』の書評を読む
























今日も雨が降ったり止んだりのはっきりしない天気だ

午後からモンパルナスに行かなければならない用事ができたので出かけた

用事はすんなり終わるはずだったが、最初に貰った情報が違っていたので別のところを探す

こういうことは珍しくないが、街中なのですぐに見つかった

それにしても、この界隈は騒々しい

途中、リブレリーに入り一冊手に入れた

昔から相性が良かった古代哲学への興味は依然として継続しているようである

今日のカフェでは耳に新しい音楽が流れていた

確かめると、ドミニカ出身のバチャタの帝王とも呼ばれているロメオ・サントス(1981- )という歌手だという

もう少し激しい音楽のように記憶しているが、その手のものは見つからなかった

意外にソフトである

それにしても、本日も結構歩いた一日となった







ところで本日、みすず書房の編集者から『免疫から哲学としての科学へ』の書評が出たとの連絡が入った

帝京大学の竹田扇教授によるもので

と題されている

じっくり読み込んでいただいた様子が伝わってくる

ここに謝意を表したい







2023年5月11日木曜日

パリ4日目、この滞在で試みること





パリ4日目、相変わらずの曇天が続いている

今回は、これからの大きな絵を描きたいと思ってパリに来た

頭の中を限界まで広げ、そこに何が浮かび上がってくるのかを観察しようというのである

日本にいると、空間が限界まで広がらないと感じるようになっていた

日常の具体的なものがそれを邪魔するのだろうか

これまでのところ時はゆったり流れているので、何かが出てくる可能性は高いと考えている

楽しみである




さて、アメリカに入国するためには電子渡航認証(ESTA)が必要になることを思い出した

いつだったか忘れたが、それを知らずに空港まで行き、一苦労したことがあったからだ

申請したところ、意外にも早く認められたのでプリントアウトする必要がでてきた

ということで、今日はカルチエ・ラタンに出ることにした

デジュネをカフェで取ったが、店員さんの元気がよい

日本では感じられない雰囲気で、昔から好きであった

それから街の空気を味わいながらリブレリーに向かった

その途中でコピー屋さんを見つけたのでESTAを印刷してもらってからリブレリーを2軒ほど梯子した

こちらではお店によって訴えかけてくるものに違いがあるので、いろいろなところに入ることが大切である

何冊か手に入れてからカフェに落ち着き、今日を振り返ると同時に、この記事を書いているところである

実に不思議なのだが、3年という空白が消え、ずっーとここにいるような感覚に陥る

3年と言えば結構な長さだが、そのブランクが全く感じられないのだ

今日驚いたのは、コレージュ・ド・フランスのクロード・ベルナール(1813-1878)さんもソルボンヌ広場のオーギュスト・コント(1798-1857)さんの像も白いこと

お化粧の後もよいのだろうが、以前の汚れた像も味があったのだが、、












2023年5月10日水曜日

パリ2日目、異常事態に対応する準備の後は散策















昨日の午前中は、全く想定外の事態に対応するために計画を練っていた

アメリカで問題が発生したのだが、電話では埒が明かないという

そのため現地に行かざるを得なくなった

最初に頭に浮かんだのは、日本に帰ってからまた出かけるのは大変だというものであった

自分が現在、アメリカにより近いところにいるという認識がなかったようである

これに似たようなことは過去にもあった

フランスにいた時のことだが、イギリスは遠い国なので行くのは大変だと思っていたのである

いずれにせよ、日本にいると立ち上がるのに一苦労するので、不幸中の幸いと言うこともできるだろう

こういうことでもなければアメリカに行くこともないだろうと思い、決心した

電話の主は自信ありげであったが、向こうに行ったからといって問題が解決されるかどうか分からないと思っている

ただ、行かなければ何も始まらないことは確かである


頭を絞って計画を立てた後、用事を足しに雨の中を散策を兼ねて出かけた

日本ではそんな気になかなかならない

傘に当たる雨の音も悪くない

まず、大家さんに書類を送るために、コピー屋さんでプリントアウトしてから郵便局に向かった

日本のようにコンビニにコピー機がある国とは違うので、その都度お店の人とのやり取りがある

ゆったりした感じがする

それからイタリアンでデジュネの後、少しだけ仕事のようなことをしてから帰って来た

結局、往復で2時間以上歩いたのではないだろうか

これが日課になると、日本での運動不足が解消されるのだが、、


夕方からは晴れ上がってくれた






2023年5月9日火曜日

パリ2日目の朝に

























パリ2日目の朝が明けた

昨夜はいつまでも明るいので、今夏時間であることに気付いた

この時期は気分が高まったことを思い出す

これからそれを味わうことができるのかと思うと、心が躍る



さて、今朝目覚める時に浮かんできた考えは、次のようなものだった

日本にいる時(と言ってもまだ数日前までのことなのだが)の状態と明らかに違っている

自分では天空にいて観察していると思っていたが、日常や下界の要素が知らない間に大量に侵入していたことが見えてきた

天空だと思っていたところは、実は半分以上地上の世界だったのである

自分を取り巻いているのが、日本語であり、景色であり、人びとのものの捉え方のようなものであったりする

無意識の内に、このようなものの中に覆われているため、意識も外に開かれなくなる

そこでは自分に都合の良いような話が蔓延しているのである

当然のことだが、その馴染の空気のようなものがこちらに来ると消えていると今朝感じたのである

そして、この状態の違いは想像を超えるほど大きいのではないかということも

そんな状態で10年超の間生活していたとなると、その影響は計り知れないのではないかということが改めて想像できる



外国語にしてもそうである

日本では日本語の雲がどんよりと頭を覆っているためか、外国語が浮かぶことはなかった

そのため、例えば電話で英語を話すことも億劫になり、第一言葉が出て来なくなっていた

況やフランス語においてをやである

外国語を話すには、自分のまわりの環境から大きなジャンプをしなければならなくなっていたのだろう

日本語が自分のいるレベルにあるとすれば、外国語の場合は雲の上にでもあるような感じになっていたのである

第一、日本にいれば外国語など話す必要もないのだから

こちらに来てまだ1日だが、ジャンプしなければならない感覚は階段を一段上る程度に変わっている

実に不思議である



その昔仕事をしている時のひと月など、あっという間に過ぎ去ったという記憶しかない

この場でも触れてきたように、かなり前から時の流れが非常にゆったりしてきた

この感覚の変化は非常に重要であったと考えている

今回の滞在が終わった時、この点をどのように感じるのだろうか

期待しながら見守ることにしたい










2023年5月8日月曜日

3年振りのパリ





3年振りのパリである

朝は霧にむせんでいた

空港から大家さんに電話するも、その番号はありませんとつれないアナウンス

仲介業者にメールを出すも今日はメーデーなのでお休みですなどというおかしな自動返信が届く

このような状態が続いたので、ひょっとすると詐欺にでもあったのではないかと疑心暗鬼になる

もし部屋が確保されていないとすれば、少しだけ滞在して日本に戻らなければならないという考えも浮かぶ

しかし、何度かメールを送り続けていると、大家さんの母親の電話番号が送られてきた

これが最後との思いでそこに電話すると無事つながってくれ、部屋に向かうことができた



部屋はスペースもたっぷりあり、とにかく静かだ

少し歩くとカフェやスーパーもあり、申し分のないセッティングである

今回はひと月ほどの予定だが、このままずっーとという甘い声も聞こえてきた

このように最初から問題に出会ったパリだが、未解決の問題はまだある

なぜか部屋からネットに繋ぐことができない

これではやりたいことができない



気分転換のため散策に出てカフェに入る

不思議なことに、そこでもネットに繋ぐことができない

わたしのパソコンの設定の問題なのだろうか

コルシカのビエールを飲みながら頭をひねっていたが、名案が浮かぶはずもなし

久し振りに酔いに身を任せていた

それから部屋に戻り、ルーターをいじっているうちに繋がるようになった

ということで、初期条件は整った

明日からどんな感じになるのか、様子を見ることになる












2023年5月5日金曜日

考え方の癖の変容
































今朝ぼんやりしているときに浮かんできた考えである

これは以前に気付いたことなので、どこかに書いたかもしれない

特に意識していたわけではないが、現役時代は次のように考えていた節がある

それは、求めるものはここにはない、というものである

私生活でも研究生活においてもこの感覚がどこかにあったように見える

つまり、求めるものはこの先にあると思っているので、いつも待ちの状態にあったのである

今の姿は仮の姿で、本当のものはこれから現れると考えていたようなのである

そこで何が起こるのか

「いま・ここ」にあるものから考えることをせず、将来起こることをもとに考えましょうと呑気に構えるようになる

現役時代はなぜか、この考え方を検証することにはならなかった

まさに、unexamined lifeであったのだ



この考え方が変わったのが、フランスに渡ることにしたあたりであった

それは、自らの終わりを明確に意識できるようになった時でもあった

そのため、「いま・ここ」が最も重要なものになり、内外のシグナルに対する感受性がこれまでになく亢進していった

その記録は2005年から始めたブログの中にも見て取れる

未来を呑気に待つのではなく、「いま・ここ」に集中すること

そうすることによってしか、豊かな未来は見えてこない

これが信念にまでなってきたようである










2023年5月4日木曜日

ジェフリー・ヒントン・インタビューを観る


 Geoffrey Hinton Interview



ジェフリー・ヒントン(1947- )博士の CBS Mornings インタビューを観る

最近、AI の危険性を訴えるためにGoogleを退職したことでニュースになった

どのようなことなのかを知るためにお話を聴くことにした









2023年5月1日月曜日

ちょっとした出来事があった一日





また新しい月が始まった

ひと月は僅か30日ほどだが、本当に長い

先月もいろいろな展開があった

その中には先に繋がるものがあり、現在もその只中にある



今日は用事があり、外に出た

いつからか、このような時間は全く抵抗を感じることなく流れるようになった

無意識の内にシミュレーションをしているからではないかと思う

デジュネのために何度か寄ったことがあるお店に入った

それまでは意識していなかったが、店名がフランス語なので店員さんに訊いてみた

その話の中で、銀座に姉妹店があることを知った

調べてみると、そこは何度か行ったことがあるお店だったのである

それが分かった時、一気に明るい気分になったが、一日も終わりになるともう遠くの出来事のように感じられる

銀座のお店はいかにもフランスという作りになっていたが、今日のお店はそこまでではなかった



帰りに、中学時代の友人ご夫妻と遭遇した

実は、すぐ隣にいるのにお互いに全く気付かなかったのである

これからはこういうことがよく起こるのかもしれない

話の中で、拙著のことをどこかで目にして何冊か手に入れ、友人の高名な哲学教授に配ってくれたことを知った

そう言えば、ご本人の専攻も哲学であった

有難いことである