土曜には拙著『免疫から哲学としての科学へ』(みすず書房)を肴に、免疫や科学、そして哲学について語り合う会を持った
その様子をこちらに簡単に纏めてみた
このような本と付き合うには、時間をたっぷり取り、思考空間をできるだけ広げて、目の前にある言葉をその空間に描くという作業が欠かせない
その上で、その絵を見ながら自らの思考を展開するのである
そうすると、著者の言いたいこと、思考の過程が浮き上がってくるだろう
そのためには、今回のカフェのような時間が必要になる
忙しい現代で欠けているのは、このような静かな時間ではないだろうか
この秋のカフェ/フォーラム・シリーズ第一弾を終えて浮かんできた感想である
さて、今年のブログを振り返る作業を再開したい
2月は『免疫から哲学としての科学へ』の校正に追われていた
その中で、2月23日に前ブログ「二つの文化の間から」から本ブログ「自然と生命を考える」に場所を移している
その理由として、これまで抱えていたいろいろなプロジェクトが一気に終結したことがある
一つ目は『医学のあゆみ』に連載していた「パリから見えるこの世界」が、昨年105回をもって終わったこと
二つ目は、そのまとめとしての『免疫学者のパリ心景――新しい「知のエティック」を求めて』(医歯薬出版)が昨年刊行されたこと
そして三つ目は、『免疫から哲学としての科学へ』がこの3月に刊行されたことである
これらすべてには、フランスに渡る前から始まり、フランス生活の中で浮かんできた問いについてのわたしなりの回答が埋め込まれている
このような背景の下、新たな問題について考える場を欲したのかもしれない
そして早々に、本ブログのタイトルに選んだ「自然」(ピュシス)が取り上げられている
2-3月には春のカフェ/フォーラム・シリーズを開催した記述がある
これまでと違うのは、終了直後から秋のシリーズのアイディアが固まっていることである
カフェ/フォーラムに対して攻めの気持ちでも生まれていたのだろうか
一つの証左かもしれないが、サイファイ・フォーラムFPSSで発表された内容をまとまった形で公表する場を設けるというアイディアが浮かんでいる
その場の名前を「自然と生命のための科学と哲学」(Science and Philosophy for Nature and Life: SPNL)とし、現在投稿をお待ちしているところである
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