本ブログのタイトルに「自然」という言葉が入っている
その意味を知りたいという気持ちが込められているのだろう
これは古代ギリシアの「ピュシス」(physis; phusis)にその源を持っている
この言葉が意識に上るようになったのは、最近のことのように思う
確認のために2005年からのブログを検索したところ、ここ1-2年のことであった
「ピュシス」には2つの意味がある
初期には、常に内にある何かで、自ら立ち現れるもの(外からの力によるではない)、根源的原因(原理、本質)を指した
それから後に、「コスモス」(世界)と共通する自然的事物の総体を指すようになった
言い換えると、物理学で解析できる存在しているものと、それができない存在の本質という意味が「ピュシス」にはある
アリストテレス(384 BC-322 BC)は、全体としての存在について問うことと、存在の本質を問うことを「第一哲学」(prima philosophia)とした
つまりそれは、「ピュシス」を問うことである
アリストテレスの「第一哲学」は、わたしが言うところの「科学の形而上学化」とよく重なる
ハイデガー(1889-1976)によれば、アリストテレスの問いは現在でもオープンであると言うよりは、最早問われなくなったという
その視点から見れば、今回の『免疫から哲学としての科学へ』は、その問いを問い直した試みと言えるのかもしれない
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