ブログ『自然と生命の新しい哲学を求めて』(In Search of a New Philosophy of Nature and Life)を訪問いただき、ありがとうございます
最初に、このブログに至った経緯を書いておきたいと思います
昨年、10年間続いた『医学のあゆみ』誌のエッセイシリーズ「パリから見えるこの世界」が終わりを迎えました
そこから今年にかけて、2つの著作をまとめることができました
一つは『免疫学者のパリ心景-新しい「知のエティック」を求めて』(医歯薬出版、2022年)で、もう一つは『免疫から哲学としての科学へ』(みすず書房、2023年3月刊行予定)です
これらは2007年から始めたフランスにおける「全的生活」の中で成熟してきた考えをまとめたものです
前者においては、科学と哲学の創造的関係を模索する過程で見えてきた「科学の形而上学化」という認識の方法を紹介しています
その気付きはまた、現代社会の問題の根底にある思考の衰弱あるいは欠如を炙り出すことになりました
さらに、わたしの目の前を通り過ぎた多彩な科学者や哲学者の生を顧みる中で、人間の生き方にまで思索が羽ばたいています
いわば、我々の生の全体に関わる問題について考えた著作と言えます
また後者は、免疫という一つの自然現象を取り上げ、その本質に至る思索の過程を著したものです
そこでは、免疫学から出発してはいるもののその枠を超え、広く生命の哲学に思索が及ぶことになりました
それは「科学の形而上学化」あるいは「哲学としての科学」とでも言うべき考えに支えられたものでした
この2冊はまた、2007年にフランスに渡る前に抱えていた問いに対する一つの回答を与えているような気がしています
問題は、フランスに渡ってから現在に至るまでにさらに多くの問いが生まれていることです
これからこの場で、この世界の新しい認識に至るための思索を展開していくことにしました
ところで本ブログは、2005年にブログなるものを始めてから5つ目になります
最初は2005年から始めた「フランスに揺られながら」ですが、当時ブログをやっている人は数えるほどでしたので隔世の感があります
続いて2007年からの「パリから観る」
3つ目が2010年からの「パリの断章」
そして4つ目は、2016年から始めた「二つの文化の間から」です
全く気付いていませんでしたが、4つ目のブログが最長のブログになっていることに驚いているところです
当然のことですが、前ブログを始めた2016年には新しいブログを立ち上げることになろうとは想像もしていませんでした
さらに言えば、今月の初めにもこの展開は見えていませんでした
ブログを変える時は毎回、何かが熟してきたという感覚が突然訪れ、新しい場所を欲するようです
これからもお付き合いいただければ幸いです
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