2023年9月23日土曜日

ハイデガーによる思考とは(5)
















今日は『思考とは何か』の第3講に当たりたい

我々が思考とは何か、思考が要求するものは何かを学ぼうとする時、思考について考える省察の中で迷ってはいないだろうか

しかしその道行には、思考自体に由来する光が注いでいるのである

思考とは、最も思考を誘発するものについて回答する時に行われることである

思考を誘発する時代において最も思考を誘発することとは、我々はまだ考えていないということである

思考を誘発するという場合、我々はネガティブで虚無的な現象を思い浮かべ、その核心には思考の欠如があると想定する

一世代前にはそれは「西欧の没落」であり、今日であれば「中心の喪失」である

世界では荒廃が広がっている

これは破壊よりずっと悪い

なぜなら、破壊は今あるものを一掃するだけだが、荒廃は将来の建設も成長も阻害するからである

土地の荒廃は、すべての人に均一の幸福を組織的に確立するものと手を取り合うことになる

「荒地が拡大する」ということは、ニーチェがすでに言っている

「我々の思考を誘発する時代において最も思考を誘発することは、我々がまだ考えていない」ということを、もう少し詳しく見てみたい

ここでは、我々が全く考えないとか、最早考えていないとは言っていない

我々は思考に向かっていてその道に入ってはいるが、まだ実践されていないということである

最も思考を誘発すものとは何なのか

それはおそらく人間にとって最も格調高いものであり、最も危険なものかもしれない

それは悲観的なもので楽観的なものでもないだろう

それは最も思考すべきものを我々に与えるもの、その中に思考に値し、記憶に残る最大の豊かさを有するものではないか








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