これまでこの日に浮かんだことがなかったことを思い出した
2015年の今日、パリの大学でスートゥナンス(博士論文の口頭審査会)が行われた
前月に起こったテロ事件のため大学は封鎖され、人がほとんどいない状態だった
もう8年も前になるのかと驚いている
今では懐かしい思い出である
そして、翌年には学位記が届いた
それから次第に気持ちの変化が起こってきて驚いたのである
それはこういうことだった
それまでは確信の持てない学生として研鑽の中にあったが、一つのコースを終えたということで、その領域の「専門家」として歩まなければならないという自覚のようなものが生まれてきたのである
ここで言う専門家は、その領域の中に一定の期間留まり、そこから何かを得ようと努力してきた人という意味である
つまり、そういう人はそんなにいないのだから、その領域について責任のようなものを自覚している人として歩まなければならないと考えるようになったのである
もちろん、その人間ができる範囲内でのことであるのは、どの領域でも変わらないのだが、、
当時わたしは、いつまでも学生を続けるつもりでいた
その状態が快適だったからである
しかし大学の方針が変わり、6年以上ドクターにはいられなくなった
わたしはそのまま学生生活を終えてもよいと考えていた
なぜなら、それまでに当初想像していた以上の収穫があったと思っていたからである
しかし指導教授(写真中央)は、スートゥナンスまでやり通すことが重要だと言って、論文をまとめることを強く勧めてくれた
その助言の意味が、今ようやく身に沁みて分かるようになっている
8年後に改めて感謝である
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