免疫反応を抑制する細胞として制御性T細胞(Tレグ)がある
その発見者坂口志文氏からご著書『免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか』の献本を受けた
おそらく文体のせいだと思うが、一気に読み終えた
見ると、ジャーナリストが絡んでいる
忙しい現代人にはこれでないと受け入れられないということなのだろうか
事実を追うことができれば、最後まで行くことになる
そこで気付いたのは、Tレグが定義されるまでの過程は科学の王道である仮説演繹法が徹底されているということである
学生時代に自己と非自己の謎に興味を持ち、免疫寛容のメカニズムを明らかにしたいという願望を持ち続けた
Tレグの研究は無視された時期もあったようだが、数十年をかけて結実する
その過程を見ていると拙著『免疫から哲学としての科学』でも取り上げたハンス・セリエ(1907-1982)の人生を思い出した
セリエの場合も学生時代に観察した患者さんの症状を「ストレス」という概念で説明できるのではないかという考えに長い時間かけて到達している
Tレグに関しては、これから人間の治療に向かうようなので、なかなか大変ではないかと想像されるが、更なる発展を期待したい
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