今日は、終わりには雪になった寒い一日であった
そんな中、第13回のサイファイフォーラムFPSSが開催された
年度末のお忙しいところ、お集まりいただいた皆様には改めて感謝したい
プログラムは以下の通りであった
1)矢倉英隆: シリーズ「科学と哲学」⑦ 「プラトンの宇宙論」
2)細井宏一: 人文科学と自然科学の間にあるサイエンス——啓示か、観察か、それとも・・・——
3)岩倉洋一郎: 科学は自らの発展を制御できるのか?
1)拙「科学と哲学」シリーズはすでに7回目を迎え、ソクラテス以前の哲学者が終わり、前回からプラトンに入っている
今回はその宇宙論について概観した
プラトンの世界観は、常に在る生成しないものと、常に生成・消滅し、真に在ることのないものを識別することから始まる
宇宙はそのどちらになるのかとの問いが出されるが、それは後者である
物体性があり、感覚で捉えられるからである(そういうものは生成されたものなので)
それでは一体、誰がどのように宇宙を造ったのか
それが語られた
2)細井氏は、自らの人生を振り返り、それまで欠落していたと結論された「考える」という営みに入られた経緯から始められた
その後、科学、哲学、神学など幅広い領域について、豊富な歴史的考察を交えた分析が進められた
よく理解できないことが少なくなかったので、時間をかけて振り返ることにしたい
今回、一貫して強調されていたのは、人間の特徴である「考える」ことをどのようにやっていくのかということではなかっただろうか
それは科学を考える以前に重要になることのように感じられた
3)岩倉氏の話題は、特に遺伝子改変や人工知能の領域における最近の進歩がもたらしている倫理的な問題についてであった
指摘された問題については、専用サイトにまとめる予定である
演題は、科学がこれらの問題について考え、制御することができるのかという問いであった
個人的には、それは難しいのではないかというのが直感的な回答になるだろう
なぜなら、現在の科学にはこのような問題を考える自省的な側面が組み込まれているようには見えないからである
そこで提唱しているのが「形而上学化された科学」で、現在の科学の中に、このような問題について考える営みを内包させた新しい科学(「新しい知のエティック」と言ってもよいだろう)である
もし、上述の新しい科学が広く実践されるようになれば、この問いの答えはイエスに変わる可能性はあるだろう
いずれの演題の詳細も、近日中に専用サイトに掲載する予定である
なお、第14回FPSSは、7月12日(土)同じ時間、同じ会場で開催されます
プログラムは決まり次第、この場に掲載する予定です
次回もよろしくお願いいたします
0 件のコメント:
コメントを投稿