本日は、15回目になるサイファイカフェSHE札幌において『免疫から哲学としての科学へ』の読書会を開催した
不手際があったものの、幸い7名の方の参加を得て充実した会になったと思う
今回はまず、ヒトやマウスのオーガニズム・レベルでの解析が最近明らかにしたことを振り返った
その結果、これまでは明瞭だと思われていた免疫システム内のサブシステム(自然免疫と獲得免疫)間の境界や免疫システムと他のシステム(特に神経系の例が提示された)との境界が曖昧になり、相互に親密な交流があることが見えてきた
つまり、オーガニズム全体で免疫という機能を発揮しているというイメージである
その後、細菌からヒトに至る生物界における免疫について検討した
その結果、免疫システム(基本的な機能は外敵からの防御と考えられている)は細菌からヒトに至るすべての生物に存在すること、しかしその構造やメカニズムは種によって大きく異なることなどが明らかになった
つまり、免疫は生物としての条件になっている可能性が示唆される
さらに、免疫を構成する要素を分析すると、認識、情報処理、適切な反応、その記憶という4つの過程があり、これはそのまま神経系の主要な機能要素と重なってくる
このことから、免疫の本質には認知機能があると考えられた
その場合、細菌には神経系がないので、免疫が最古の認知機能を担っていると言えるのではないかというところで終わった
会の詳しい内容は、これからサイトにまとめる予定である
訪問していただければ幸いである
懇親会は今年の打ち上げという雰囲気で、話も盛り上がっていたようである
わたし自身の仕事についてもいくつかのサジェスチョンをいただいた
また、12月に開催されるサイファイ対話CoELPの生命倫理に関するお話を札幌でも聞いてみたいという声も聞こえてきた
多くの課題を抱えることになった今年最後のカフェ札幌であった
0 件のコメント:
コメントを投稿