2024年5月29日水曜日

ピエール・コルヴォルさんによるクロード・ベルナールを聴く


























昨日は午後からリブレリーを回り、いくつか手に入れた

カフェで読んだ後、コレージュ・ド・フランスに向かった

コレージュ・ド・フランスの実験医学講座名誉教授のピエール・コルヴォルさんがクロード・ベルナールについて語るのを聴くためである

コルヴォルさんは御年82、最近では全く珍しくなくなった景色である

ベルナールについては、拙著『免疫から哲学としての科学へ』でもかなりのスペースを割いたので、新しい話題や視点が提示されるのか期待していた

しかし、お話は正統的なベルナールの紹介であった

質疑応答で、ベルナールとパスツールの比較が問題になった

フランスではパスツールの人気が上のようなのだが、その理由はどの辺にあるのかということもあったようだ

その理由は、講演の中にも出てきた生体実験が現代では問題になること、さらにパスツールが開発した低温殺菌法や予防接種など、明快な対策を提示したことがあるのではないかとのことであった

昨日も問題にした科学に期待される成果から考えると、パスツールの方が上というのが一般的な評価になるのだろうか


こちらでは、このように昔の科学者を取り上げ、シンポジウムをやったりして振り返ることが少なくない

過去を大切にしているように見える

免疫学者のパリ心景』でも引用したジャン・ドルムソンさんの「後ろを向いている国」という言葉が思い出される

今回のベルナールを振り返る講義はすでに何回か行われ、来週もあるとのこと

また足を運んでみたいものである


ところで、パリに来て2日しか経っていないが、かなり歩かされている

日本では座ってばかりいるので、足ががくがくしてくる

昔よく来たカルティエを歩いている時、あれだけ長い間こちらで生活できたのが奇跡に見えてきた

最初に来たのが2007年になるので、もう17年も前のことなのである

基本的に体がしっかりしていたことが大きな要因だったことに改めて気がついた

最近、数字に直して驚くことが増えているが、これもその一つだろうか








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