2025年12月26日金曜日

ミシェル・アンバシェ『自然の哲学』を読む(19)































今日は、2-3-3「自然哲学と現代の新実証主義」を読み、第2章を終えることにしたい

オーギュスト・コント(1798-1857)は、「進歩」という考えの偉大な立役者と考えられているが、自然については静的な見方を取っているという

彼は、あらゆる科学にとっての本質的な問題は、「秩序をそれにふさわしく完成する目的で眺めることである」としている

ラマルク(1744-1829)の変移説にはあまり興味を示さなかったが、キュヴィエ(1769-1832)の不変説については考察の限りを尽くしている

コントは宇宙の起源と運命に関して関心を示さず、真の実証的宇宙を太陽系と若干の星にしか広げていない

パスカル(1623-1662)の無限の宇宙という観念とは大きな違いである

当時の自然哲学が拒否感を示したのも、コントの実証主義が限界を設けているように見える点であった



アンバシェの著作をここまで読んだ印象の一つに、次のようなことがある

ある事実について語る時、事実だけがまず提示されるというのではなく、最初からその評価が抽象的に語られることが多いので、理解し難いという印象を拭えなかった

つまり、事実についての蓄積がないと、何を言っているのか分からないということになる

もう一つ思い当たるのは、原著に当たったわけではないので確かなことは言えないが、翻訳の問題があるのかもしれない

文字通り訳しても通じない場合の考え方である

その場合には、真意を汲み取った訳が必要になるような気もするが、もともとは直訳がよいと考えていた者としては判断が難しい

最近ではもともとの考えに否定的になってきてはいるのだが、、

これから先はどうであろうか















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