今日は哲学に入る切っ掛けを与えていただいたマルク・ダエロン博士とのデジュネがあった
そこは très parisien なレストランとのことで、パンテオン近くにあった
パスツール研究所を退職されてからは悠々自適の生活
とはいうものの、人生における本質的なことに打ち込んでいるようだ
退職後の時間はそのためにあるという認識であった
全くその通りである
研究の現状をフォローしながら論文や著作も発表されている
それから、この時期にはイタリアのカッラーラに出向いて、大理石に潜むフォルムを浮かび上がらせるという大変な作業に打ち込んでいる
数週間の滞在中は彫刻に完全に集中
現実を前にしてはケガをし兼ねないので注意するのは勿論だが、哲学的思索が欠かせないようだ
最近、彫刻という作業の意味が分かってきたという
到達した認識は哲学的なもので、わたしの理解を超えていた
(夕方、ダエロン博士から彫刻に関するエッセイが送られてきたので、後でじっくり読むことにしたい)
20年来の作品を見せていただいたが、とても素人の作品とは思えなかった
確かに、10年以上続けていればプロと言ってもよいのかもしれない
まだ公開不可とのことでお見せすることができないのは残念だ
同年代なのだが、時間の捉え方に若干の違いがあることが分かった
わたしと同じく永遠に生きると思っていたようだが、最近その永遠が以前より短くなったように感じるとのこと
コロナの時に本を執筆していたが、ここでコロナに罹ると未完に終わる可能性もあるので緊迫感を以って過ごしたようである
わたしの場合は、まだその感覚はない
レストランを出ると、もうパリに住んでいるような気になるでしょうと言ってきた
ご自身もブダペストやイタリアの町に行くと同じような感覚に陥るが、その感じは何とも言えずよいという
全くその通りだ
また、出版社 Odile Jacob の古いオフィスが入っていたビルの前では、夢が実現するまでの過程を語ってくれた
人生を味わい直すような豊穣の時が流れた
またの機会にお話を伺いたいものである
再会を約して別れた
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