本日、一カ月のパリ滞在を終え、無事帰国した
パリからの機内で興味深いことが起こった
気付かなかったのだが、横にフランス人夫婦が座っていた
途中、退屈したのか、話しかけてきた
ひょっとすると、同じ匂いを感じ取ったのかもしれない
すでに年金生活に入っているとのことで、わたしにまだ仕事をしているのか確かめてきた
今回の旅は、息子さんの嫁がカンボジア人なので里帰りに付いてきたという
新しい世界を前にやや興奮気味であった
この方のお子さんたちはセネガルとイタリアにも関係を持っているようで、インターナショナルだ
さて、8年ほど前のある日(日にちを覚えていた)、突然覚醒したということを語っていた
それまで気付かなかったあるべき人間の心の持ち様が見えたのだという
日常生活のどうでもよいことに心を奪われるのではなく、重要なことに心を配ること
それ以来、そういう心の動きをしている人が分かるようになったという
内的世界が広いと言うか、人間として話ができる状態にある人とそうでない人が明確に違うことに気付いたようだ
これはわたしが言う意識の三層構造の第三層の重要性と繋がるような気がして確かめてみた
しかし、その点はよく分からないとのことだった
ただ、l’environnement mental(心の環境)という言葉が出てきて、あるべき心の状態というような意味で使っているのではないかと思われた
お金を儲けても心の環境はどうなのか、という使い方である
金とか名誉などの外的なものに価値を認めず、真善美を求めるのが人間のあるべき姿だという考えは、古代ギリシアから哲学が教えているところで、よく理解できる
また、フランスにいた時には何を食べていたのかを訊いてきたので、粗食の内容を伝えると、あまりいいものを食べていなかったようだねとの反応
こういう時に有効なのが、エピクロスのパンと水である
この答えにも納得していた
当然のことだと思うが、最近のフランス、ヨーロッパにも思いを致しているようであった
考え方は、ル・ペンでもマクロンでもなく、寧ろメランションに近いようなお話であった
そして最後の方で、家にいる時は何もしないのか?と訊いてきた
「勿論何も(Rien)! Penser 以外は」と答えるとニヤリとして、それは重要なことだと言っていた
このようなやりとりが1時間ほど続いたのではないだろうか
話が通じる人間を発見できることは大きな悦びである
すでに触れているが、今年のパリ滞在は昨年以上にいろいろなアイディアが浮かんできた
いずれも時間を要するものばかりである
これからどれだけ育て上げることができるのか
興味深い問題である
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