2024年4月15日月曜日

拙著 Immunity の編集作業で分業の実態を知る




長いトンネルから抜け出したところである

1週間という期限が付いていた Immunity: From Science to Philosophy の原稿校正が終わり、担当者に送ったところだ

いつものことだが、最初その中に入るのに時間がかかった

しかし、ゴールが見えてきたと思った昨日あたりから元気になり、今日はまずまずといったところだろうか

このような作業の時は一定の時間をそれにかけなければ終わらないので耐えるしかないのだが、それが難しい

どうしても終わらせようという気持が強くなるからだ

ここでのコツは、その場の景色を楽しむようにすることだろうか

すべては「いま・ここ」に行き着くのである

いずれにせよ、予定通り終わらせることができたのは幸いであった

ただ、今回もいろいろな問題を発見したので、まだ何かあるのではないかという懸念は残る

ゲラの段階で万全を期したいものである


今回の本を作る過程を見ていて、日本との違いが明らかになってきた

個人的な観察を書いてみたい

海外の出版社の場合、Book Proposal という形で原稿を広く募集している

そのため、世界中から送られてくる多数の提案書を読まなければならない

この段階でどれを出版するのかを決める編集者がいる

良さそうだと判断されると、外部の専門家の評価に回される

そこでも問題がなければ、別の編集者が本をどのような作りにするのかを検討する

出版社の様式に合わせた調整が行われ、表紙までがこの段階で決ることを今回知り、驚いた

日本の場合、最後のゲラ校正のあたりで決められていたからである

ここで様式が決まると第3段階のコピーエディティングに入るが、これは別会社が担当している

最初は原稿の校正があり、それが終わると最終的なゲラ作成に入る

この前段が今日終わったことになり、後段のゲラが届くのを待つ状態に入った

それが出来上がるのは、来月とのことであった


このように、向こうの出版社は3段階の編集作業が分業になっている

日本の場合は全過程を一人の編集者が担当するので大変そうである

その一方で、何かをこの手で作り上げるという充実感はより強くなるのではないかとも想像される

この違いはどこから来るのだろうか

単に扱う量が増えてくると分業にせざるを得ないということなのだろうか







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