今日は、昨日の「天」に続き、第二のテーマ「月下の世界」である
この世界は天とは違い、不滅でも永遠でもないわれわれが住んでいる世界である
四元素が関わる生成の宇宙である
すなわち、「乾」と結びついた「熱」は「火」の本性を規定し、「熱」と「湿」の結合は「空気」を生む
「冷と「湿」の結合は「水」を生み、「冷」と「乾」の混合から「土」が生まれる
「水」の「冷」と「湿」が「空気」の「熱」と「湿」に変わる時、蒸気が発生する
つまり、水の「消滅」が空気の「生成」になる
原子論者によれば、実体の生成と消滅は、微粒子状のものの集結と離散が原因だとされる
実体は分解されると考えるが、同質なものにはならないとするアリストテレス(384-322 BC)の認識とは異なる
アリストテレスは、四元素のいずれでもない物体は「複合体」を形成するとした
第三のテーマは「生きもの」で、アリストテレスにとって主要な部分である
例えば、ミツバチの研究、哺乳類の血管系の記述、胚の発達段階、シビレエイの形態論、さらに、脚と翼と鰭(ひれ)の間の相同や羽と鱗(うろこ)の相同を初めて指摘した
いずれにせよ、この広大な領野において2つの方向性を区別する必要があるという
彼は種の分類と形態論で頭角を現した
比較解剖学の創始者と言ってもよいだろう
最初に考察した最も広い2つの部門は有血動物と無血動物で、これは脊椎動物と無脊椎動物に対応するという
もう一つの方向性は、分類の根拠に発生の様式を取り入れようとするものであった
これによれば、高等な動物として胎生動物があり、次に卵生動物が来て、最後は自然発生に近い形で繁殖する動物である
生物学的活動が、生殖、感覚、運動という3つの相で現れることをアリストテレスは知っていた
この中の生殖を研究することで生命現象の本質に迫ることができると考えられる
ただ、質料因と作用因しか考慮せず、形相因と目的因を全く知らないのは誤りであるとした
いわゆる自然哲学を構成する経験的・記述的な著作のほかに、より徹底的・体系的に自然の原因について議論した著作が必要になる
ここで自然の哲学が登場することになる
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