2025年9月3日水曜日

ミシェル・アンバシェ『自然の哲学』を読む(2)

 

















今日は、第1章「アリストテレスの体系における自然の哲学と自然哲学」を読むことにしたい

その前段として、ギリシア思想の2つの流れについて触れている

一つは『自然について』(ペリ・ピュセオース)という著作を著した人たちであり、もう一つはその視線を内に向け、道徳的考察を行った人たちである

後者には、ソクラテス(c.470-399 BC)以降の哲学者が含まれるだろう

前者には、世界の起源を水としたタレス(c. 624-c.564 BC)、無限の中に起源を見たアナクシマンドロス(c. 610-546 BC)、空気を原初的形態としたアナクシメネス(585-525 BC)、四元素説を唱えたエンペドクレス(c. 490-c.430 BC)、原子論を唱えたデモクリトス(c. 460-c.370)やレウキッポスなどがいる

彼らの仕事がアリストテレス(384-322 BC)の自然学の基礎となるのである


まず、アリストテレスの体系における自然学の位置が検討される

彼は知を3つの領域に分ける

第一に、自然学と数学、後に形而上学となる第一哲学などの理論的諸学

論理学がこの中に入っていないのは、他の学問に入る前段階で所有していなければならないとされたからだという

第二に、倫理学と政治学のような実践的諸学

第三に、有用なもの、美しいものの製造を目的とする制作的諸学

彼の自然学は、自然現象が具体的・感覚的様相を持っているゆえに、形而上学よりもわれわれに近い

自然について考察した作品を見る場合、2つの見方に対応するグループに分けることができるだろう

一つは、自然が一つの広大な探求領野とされ、その中の様々な部分(天界、月下の世界、植物、動物など)を踏査・記述するもので、その後も「自然哲学」と呼ばれるものと対応している

もう一つは、自然を探求領野とは見なさず、説明の原因・原理として考察するもので、「自然の哲学」の名に相応しい









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