2025年9月15日月曜日

ミシェル・アンバシェ『自然の哲学』を読む(7)



















生物学的研究のおかげで、第三の要素が「自然の哲学」に入ってくる

生について、記述的・観察できる特性を考察するのではなく(それは「自然哲学」の仕事である)、原理や原因のレベルで分析することが課題になる

アリストテレス(384-322 BC)は、生の自然的原理を霊魂(プシュケー)であるという

最も初歩的な霊魂は、栄養摂取的な生を営む上で基底にあるようなもの

次に動物の感覚的霊魂があり、五感を通して受け取るもののほかに、快楽、苦痛、嫌悪、欲望を感じる能力も持っている

さらに、想像や記憶を持つ動物もおり、人間に見られる最高の能力は知性あるいは理性である


そのうえで改めて、アリストテレスにとって 自然学とは「自然的な運動や変化をもつ存在の研究」であり、自然的な存在は「質料」(ヒューレ)と「形相」(エイドス)から成り立つ

霊魂を神学的なものではなく自然学の対象とし、自然体としての生命存在の原理 として理解されると考えたのである

彼の出発点は、自然的発動者としての霊魂が、自然それ自体のように、運動の原理であるはずだという考えである

しかし、自然的運動は有魂の存在には含まれないと言われる

霊魂は動かされず、動かす主動者であり、運動の原因である

霊魂は質料の形相化のレベルに位置づけるられる

目の霊魂は視覚を働かせることであるという言い方をする

霊魂は「自然的・有機的物体の第一の現実態」(生きているものに生命を与える第一の現実態)である

霊魂の本質的特徴として示されるのは、形相と目的になる














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