今日は免疫学者の笠原正典先生との会食があった
調べてみると、前回は昨年12月となっていたので、8か月ぶりということになる
褐色のお肌なので驚いたが、現在は悠々自適で、外に出て歩く機会が増えているとのことであった
座ってばかりの生活をしている者としては、見習いたいものである
いつものように、いろいろなところに話は広がった
最初に何人かの近況が話題に上がったが、時の流れを感じるものであった
それから、拙著 Immunity: From Science to Philosophy が刊行されたことに対して、その労をねぎらわれた
日本語版(『免疫から哲学としての科学へ』)はすでに読んでいただいており、若干手を加えたところを含めて新しいバージョンも読んでいただけるとのことであった
有難いことである
免疫学についての知識だけではなく、科学についての考え方、科学者の生き方にも触れているので、広くお読みいただきたい本である
そのことに関連して、どのようにすれば科学の枠組みを変えるような研究を生み出すことができるのかといった根本的な問題を考える上で大切になると思われる、科学という営みの特徴やそれぞれの分野における歴史を広く知ることの重要性が指摘された
それは科学についての教養とでも言うべきものだが、我々が若い時にも教えられたことはなかったし、現在でもその状態に変わりはないのかもしれない
そういうコースの重要性に対する認識が低いのではないかということであった
もう40-50年も前のことになる海外での研究生活についての話も出ていた
そんなに時が流れたのかという感じだが、そうなると出てきても不思議ではない話題ではあった
海外でさらに膨らんだ言葉や文学に対する興味や音楽に対する嗜好についても話は続いた
バッハは何かを超えて語り掛けてくるように感じているご様子
他の作曲家とは一線を画しているということだろうか
その点についてはわたしも同感で、いつの日か、そのような境地に近づきたいものであるという気持ちがどこかにある
窓の外を見ると、太い虹がかかっているように見えた
豊かな時間であった
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