今朝、少しの間テレビをつけた
新日本紀行で奈良が取り上げられており、もう終わるところであった
一人のご老人が、山の上から景色を眺めながら次のようなことを言っていた
「世の中はどんどん変わっていくが、変わらないのはこの自然です」
これを聞いた時、秋シリーズで取り上げたパルメニデス(c 520-c.450 BC)が浮かび上がってきた
彼の説は、大ざっばに言えば、次のようなものであった
絶対的な真理とも言える変わることのない「存在」と、流れ移ろいゆく確実なものがない「非存在」がある
我々は「非存在」の道は避け、「存在」の道を求めなければならない
ただ、「非存在」の世界を知ることも必要である
「非存在」の世界とは、動きの中にある現象を解析する科学の道であった
したがって「存在」の世界とは、それを超えたものになる
「サイファイ」の世界にある者はその道に入った人たち、と言えるかもしれない
奈良のご老人は「存在」の中に「自然」を見ていた
それは、「自然」の中に「絶対的真理」を見い出した現代フランスの哲学者マルセル・コンシュ(1922-2022)にも繋がるのである
現代の奈良で、古代ギリシアのパルミニデスとその解釈者の一人であるコンシュが出てくるとは、、
興味深い瞬間であった