本日は、1980年代から出てきた心的過程をニューラルネットワークとして捉える「コネクショニズム」(connectionism)から見ていきたい
これは、認知を単純なユニット間の結合パターンの動的変化と捉えるもので、それまで優勢だった認知主義(cognitivism)が心を脳の中に閉じ込めたのに対し、認知過程と環境との関係にまで広げるダイナミックな見方である
すなわち、言語や論理をもたない存在にも認知を認めるもので、生物界に広く存在することになるだけではなく、生態系にもつながる可能性を持っている
わたしが免疫論で展開した議論は、コネクショニズムと親和性が高いとも言えそうである
ただ、この考え方でも「説明のギャップ」は埋まらないままである
3番目に、前出の2つの理論に対抗する形で1990年代から出てきた「身体化された動的認知」(embodied dynamicism)について検討する
基本的には、心を脳に存在するニューラルネットワークとして捉えるのではなく、脳、身体、環境を巻き込んだ「身体化された」システムとして捉えるものである
この場合、インプットはその後の反応を指示するものとしてではなく、システムの動態に対する乱れとして捉えられる
また、内的状態についても外界の表象としてではなく、乱れに誘発された自己組織化として理解される
この考え方が提出された1990年代と言えば、例えば、1990年のフランシス・クリック(1916-2004)とクリストフ・コッホ(1956-)による「意識に相関した脳活動」(NCC)の提唱や、1995年のデイヴィッド・チャーマーズ(1966-)による「意識のハードプロブレム」の指摘などがあり、意識に対する新たな興味が醸成された時期とも重なっている

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